HOME » 金沢大学附属病院小児科専門研修プログラム »はじめに

 公表されている専門研修プログラムは学会による一次審査を通過したものであり、機構による
 二次審査の結果、修正・変更がありうることをご承知おきください。

はじめに

小児科専門医を目指して研修を始めようとしている皆様。
ようこそ小児科へ!

 私たちが小児科医になろうとしているみなさんに力を尽くして提供できる研修教育は、次のような三つのステップ(段階)に分かれています。それぞれの段階は、いずれもがとても大切なものです。これらは、将来みなさんが新しい小児科医として、また指導者としてこの分野を切り開いて行くためには無くてはならないものです。

 第一の段階は「こどもを診る」ことの喜びを知ることです。すなおに、こどもを診ることは楽しいことだと言うことを学んで頂きたいと思います。小児科の守備範囲は広く、生下時体重が 600g に満たない新生児から、思春期を超えてもはや中年の域に達しようとしている患者さんまで診療の対象としています。小さく生まれた未熟児が何の障害もなくすこやかに成長するよう、日夜悪戦苦闘している小児科医がいる一方で、慢性疾患を抱えたこども達に寄り添い、長くつらい歩みをともにする小児科医がいます。このような先輩の姿から、小児科医としての「こどもを診る喜び」を学んで下さい。

 第二の段階では、みなさんに「こどもの病気をきちんと診ることのできる医師」となって頂きたいのです。こどもの病気は多くの場合、比較的わかりやすいしくみで発症します。遺伝子異常が直接症状と関連する場合が多くあります。急性疾患の多くは、気管支炎や胃腸炎などの感染症です。大人と違って複数の病気がからみあって複雑に影響し合っているということはあまりありません。したがって、病気のこどもを良く診察して、適切な検査を行えば、後は深い洞察力と知恵がものを言う領域です。病気の真の原因を診断するに至るプロセスの醍醐味は、小児科ならではの深い感慨があります。

 第三の段階は最も大切なことです。みなさんには「自らが経験し学んだことを普遍化した言葉として外に発信すること」を学んで頂きたいと思います。小児科学に限らず、臨床医学はすべて数えきれない多くの先達の血にじむような努力の積み重ねの歴史です。新しい技術の開発も、医療の進歩も、このような学問の積み重ねによってしか実現されません。私たちは先輩が残した財産に頼って、それを消費するだけの存在であることは許されません。臨床の経験の中で見つけた小さな事実を、共通の医学のことばで表現して報告することはとても大切です。これらの積み重ねの延長線上に、より大きな発見や成果が見えてきます。

この研修プログラムは、上記のような目的を達成するために、基幹施設である金沢大学附属病院と連携施設が共同して作り上げた仕組みです。


金沢大学附属病院小児科専門研修プログラム管理委員会委員長
金沢大学附属病院小児科科長 谷内江昭宏