研修について
Training
小児科専門医研修のロードマップ
金沢大学小児科の
専門医研修について
様々な研修施設で研修を積むことができます。
金沢大学小児科の専門医研修プログラムでは、3年間の間に金沢大学附属病院と北陸3県の16の連携施設の中から複数の施設を選んで専門医研修を行います。様々な施設で研修することで、幅広い小児医療(重症度、専門性、地域性など)を経験することができ、技術や知識を蓄えるだけでなく、専門医研修後のビジョンが明確になります。また、自分の小児科としての道標となるような多くの経験豊富な指導医に出会うことができます。
専門医研修の流れ
研修施設一覧
- 研修基幹施設
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① 金沢大学附属病院
- 研修施設
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[ 連携病院A群 ] ②国立病院機構金沢医療センター、③石川県立中央病院、④富山県立中央病院、⑤福井県立病院
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[ 連携病院B群 ] ⑥国立病院機構医王病院、⑦国立病院機構富山病院
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[ 連携病院C群 ] ⑧公立能登総合病院、⑨小松市民病院、⑩市立砺波総合病院、⑪城北病院、⑫福井県済生会病院
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[ 関連施設D群 ] ⑬市立輪島病院、⑭珠洲市総合病院、⑮加賀市医療センター、⑯南砺市民病院、⑰公立宇出津総合病院
専⾨医取得後のキャリアプランもサポートします。
金沢大学病院小児科には、免疫・アレルギー、血液・悪性腫瘍、腎・膠原病・消化器、神経・遺伝、新生児、内分泌・代謝、循環器の7つの専門グループがあります。専門医研修の段階でこれらのサブスペシャリティの診療や研究に触れることができ、キャリアプランニングにつながるだけでなく、研修終了後の専門医取得もサポートします。
また、研究や留学など将来の具体的なプランについて相談できるメンターが必ず見つかります。
子育て支援が充実しています。
小児科は子どもの総合医であり、子どもたちを大切にします。そして、それは働く小児科医のお子さんたちも例外ではありません。子育てがしやすい環境整備を目指し、出産・育児休暇はもちろんのこと(最近では男性医師も取得しています)、時短勤務や子連れ勤務、復職後の研修サポートも行っています。
女性医師からのメッセージを見る他⼤学出⾝者も多く、
多様性に富んだ環境です。
これまでも全国の大学、初期臨床研修施設からの研修希望者を受け入れています。当教室は⼀般に⼤学の医局からイメージされるような閉鎖的な雰囲気はなく、オープンな環境で研修生活をおくることができます。
<出⾝⼤学の⼀例>
金沢大学、金沢医科大学、富山大学、福井大学、旭川医科大学、岩手医科大学、東北大学、福島医大、自治医大、獨協医科大学、東京大学、昭和大学、新潟大学、信州大学、岐阜大学、滋賀医科大学、京都府立医大、鳥取大学、島根大学、愛媛大学など
専門研修
プログラム詳細
取得できる専門医資格
専門医 | 学会 |
---|---|
小児科専門医 | 日本小児科学会 |
サブスペシャリティ専門医
領域 | 専門医 | 学会 |
---|---|---|
免疫・アレルギー・感染 | アレルギー専門医 | 日本アレルギー学会 |
小児感染症指導医(専門医) | 日本小児感染症学会 | |
免疫療法認定医 | 日本臨床免疫学会 | |
血液・悪性腫瘍 | 小児血液・がん専門医 | 日本小児血液・がん学会 |
血液専門医 | 日本血液学会 | |
造血細胞移植認定医 | 日本造血・免疫細胞療法学会 | |
循環器 | 小児循環器専門医 | 日本小児循環器学会 |
循環器専門医 | 日本循環器学会 | |
成人先天性心疾患専門医 | 日本成人先天性心疾患学会 | |
胎児心エコー認証医 | 日本胎児心臓病学会 | |
腎臓・膠原病・消化器 | 腎臓専門医 | 日本腎臓学会 |
リウマチ専門医 | 日本リウマチ学会 | |
小児栄養消化器肝臓認定医 | 日本小児栄養消化器肝臓学会 | |
内分泌・代謝 | 内分泌代謝科(小児科)専門医 | 日本内分泌学会 |
神経・発達・遺伝 | 小児神経専門医 | 日本小児神経学会 |
てんかん専門医 | 日本てんかん学会 | |
臨床遺伝専門医 | 日本人類遺伝学会 | |
未熟児・新生児 | 周産期専門医(新生児) | 日本周産期・新生児医学会 |
当院の初期研修
(小児科重点プログラム)について
初期研修から小児科を見据えた研修が可能です。
金沢大学附属病院臨床研修プログラムでは、将来小児科医を目指す初期研修医の方を対象とし、本院と中核協力型臨床研修病院を中心に2年間の研修を行って、小児科医師としての基礎的能力を身につける、「小児科重点プログラム」を用意しています。NICUにおける新生児集中治療やICUにおける小児集中治療も学ぶことができます。
小児科重点プログラム:言わば “Pre 専攻医” とも言える初期研修
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小児科専門医を目指す先生方へ
小児科専門医を目指して
研修を始めようとしている皆さま。
ようこそ金沢大学小児科へ!
私たちが小児科医になろうとしている皆さまに提供できる研修教育は、次のような三つのステップ(段階)に分かれています。それぞれの段階は、いずれもがとても大切なものです。これらは、将来皆さまが新しい小児科医として、また指導者としてこの分野を切り開いて行くためには無くてはならないものです。
第一の段階は「子どもを診る」ことの喜びを知ることです。すなおに、子どもを診ることは楽しいことだと言うことを学んでいただきたいと思います。小児科の守備範囲は広く、生下時体重が 600g
に満たない新生児から、思春期を超えてもはや中年の域に達しようとしている患者さんまで診療の対象としています。小さく生まれた未熟児が何の障害もなくすこやかに成長するよう、日夜悪戦苦闘している小児科医がいる一方で、慢性疾患を抱えた子どもたちに寄り添い、長くつらい歩みをともにする小児科医がいます。このような先輩の姿から、小児科医としての「子どもを診る喜び」を学んで下さい。
第二の段階では、皆さまに「子どもの病気をきちんと診ることのできる医師」となっていただきたいのです。子どもの病気は多くの場合、比較的わかりやすいしくみで発症します。遺伝子異常が直接症状と関連する場合が多くあります。急性疾患の多くは、気管支炎や胃腸炎などの感染症です。大人と違って複数の病気がからみあって複雑に影響し合っているということはあまりありません。したがって、病気の子どもを良く診察して、適切な検査を行えば、後は深い洞察力と知恵がものを言う領域です。病気の真の原因を診断するに至るプロセスの醍醐味は、小児科ならではの深い感慨があります。
第三の段階は最も大切なことです。皆さまには「自らが経験し学んだことを普遍化した言葉として外に発信すること」を学んでいただきたいと思います。小児科学に限らず、臨床医学はすべて数えきれない多くの先達の血にじむような努力の積み重ねの歴史です。新しい技術の開発も、医療の進歩も、このような学問の積み重ねによってしか実現されません。私たちは先輩が残した財産に頼って、それを消費するだけの存在であることは許されません。臨床の経験の中で見つけた小さな事実を、共通の医学のことばで表現して報告することはとても大切です。これらの積み重ねの延長線上に、より大きな発見や成果が見えてきます。
この研修プログラムは、上記のような目的を達成するために、基幹施設である金沢大学附属病院と連携施設が共同して作り上げた仕組みです。
金沢大学附属病院小児科専門
研修プログラム管理委員会委員長
金沢大学附属病院小児科科長和田 泰三